症状による失認や失行
認知症によって、目の前にある料理が食べ物だと認識できていない場合があります。例えば、通常であればカステラと黄色いスポンジを間違えることはありませんが、これは人間が備え持っている高度な認知機能が働いているから区別が可能なのです。認知症を患うと、判断力や理解力が低下します。それにより失認症状が起こり、食事拒否につながることがあります。食べ物だと認識できていない状態の認知症患者に対しては、「これは○○ですよ」と声をかけたり、同じものを一緒に食べることで食事をアシストすることができます。また、香りを立たせたり、ご飯をおにぎりにして手に持ってもらうなど、嗅覚や触覚などの感覚を刺激することで食べ物だと認識してもらう方法があります。
特定の食べ物を食べなかったり、食べようとはしているが戸惑っている様子がある場合は、食べ方が分からなくなっている可能性があります。認知症の症状による失行が原因です。運動機能そのものに異常がなくても、箸で食べ物をつかんで口に運ぶという一連の動作ができなくなる可能性があります。その場合は、本人の前でゆっくりと一連の動作を見せるように食事をすると、それをまねして食事をしてくれます。また、盛り付けや食器を工夫する必要もあります。料理の量が多かったり、食器類が多いとどこから手を付ければいいか分からず混乱することがあります。すぐに食べきれる量の料理を大きいお皿に合い盛りするなどの工夫をすると、スムーズに食事をとれるかもしれません。
また、白米だと口を付けなかったものが、ふりかけをかけると食べるようになったり、お茶碗の色を変えることで食べるようになることもあります。認知症患者にとって、どうすれば食事の方法を理解しやすいかを考慮して工夫することが大切です。
認知症になると、集中力が低下します。そのため、食事をする際の周囲の環境が重要になります。安心できる環境でなければ食事拒否につながります。環境は「内部環境」と「外部環境」に分けられます。内部環境は心身の状況に左右されるものなので、眠気や腰痛などが原因で食事拒否の状態にある場合は、まずは原因となっている身体状況を解決する必要があります。外部環境は、部屋の明るさや周囲の環境音などが主な項目として挙げられます。本人にとって落ち着く環境を整えることで解決しますので、例えば壁に貼っているポスターが気にならないかなど、細かい点にも気を配りましょう。
求人を探す方法はいくつか存在します。最もおすすめなのは転職エージェントの活用ですが、それ以外にも求人サイトや派遣会社、ハローワークなどを使って求人を探すことができます。