命にかかわる危険な行為
認知症患者は食事拒否以外にも異食という食事異常行動をとることがあります。明らかに食べられない物でも口に入れてしまうのが異食です。例えば、たばこや洗剤など、体内に入れると健康に大きな被害を及ぼすような物でも食べてしまいます。そのため、異食が見られる認知症患者を介護する場合は注意しなければなりません。しかし、常に見張っていることはできませんので、可能な限りの対策をしておく必要があります。
異食の原因としてまず挙げられるのは、認知症による認識力の低下です。食べ物とそうでない物の区別がつかなくなり、誤って口に入れてしまうのです。食べたいと思ったのか、食べ物と間違ったのかは、ほとんどの場合区別がつきません。また、味覚障害を併発している場合は、食べ物以外を口に入れても味覚で判断ができないので、そのまま誤飲する危険性があります。
不安やストレスも異食の原因となります。例えば、我々もイライラしたり頭を使った後は甘い物が食べたくなるかと思います。それと同じように、認知症患者は寂しさや不安などのネガティブな感情から、手に届く物をなんでも口に入れてしまうことがあります。
空腹時にも異食が多く見られますが、認知症により満腹中枢が上手く機能していない場合、空腹の度合いに関係なく異食をする可能性があります。
異食を発見した際は、まずは口の中を確認して何を入れたのかを確認しましょう。無理やり口の中を確認すると噛まれてしまう可能性があります。また、驚いて飲み込んでしまう危険性もありますので、例えばお菓子などの別の食べ物を用意して、「こっちのほうが美味しいですよ」と促したり、「歯磨きの時間ですよ」と声をかけて口の中を確認するようにしてください。その際には、絶対に怒らないようにしましょう。大きな声を出して注意をすると、余計に不安やストレスを感じて口の中を確認させてくれません。異食をした認知症患者を目の前にすると焦ってしまいますが、できるだけ慌てずに、落ち着いたトーンで話しかけるように心がけましょう。
もし、異物を飲み込んでしまった場合はすぐに病院へ連れていきましょう。尖った物やタバコなどを飲み込んでしまった場合は命にかかわります。
異食に対する予防策として、まずは手に届く範囲に口に入る物や危険な物を置かないようにしましょう。また、異食の原因となっているのが不安や不満などのネガティブな感情であるなら、それを取り除く必要があります。その他には、空腹の時間を作らない、歯磨きや入れ歯の手入れを習慣化するなどの方法があります。
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