睡眠のリズムを整える
認知症患者の食事拒否で困るのは、本人が正確に食欲不振の理由を伝えられないケースです。直接言葉で伝えられないのであれば、普段とどのような違いがあるのかを周囲が見つけなければなりません。必ずどこかに食欲不振につながる理由があり、なんらかのサインを発しているはずです。特に分かりにくいのは、睡眠問題によって起こる食事拒否です。
安全に食事をするためには、覚醒状態であることが重要です。人間は体内時計を備えており、通常は朝に目覚めて夜に眠るというサイクルで動いています。そして、高齢者は体内時計が他の人よりも前倒しになっている傾向があります。眠りを司るホルモンであるメラトニンという物質が少なくなっているため、睡眠問題が起こりやすいのです。睡眠時間が少なくなるだけではなく、睡眠が浅くなったり、途中で目が覚めてしまうことで日中に強い眠気に襲われることもあります。
もし、昼夜逆転の傾向がある場合には、日中の活動量を上げる必要があります。眠りについた時間は関係なく、朝は同じ時間に起きるようにします。そして、しっかり太陽の光を浴びて活動的な生活を送ってもらいましょう。昼寝をしたがっても、長時間ではなく短時間に抑え、体内時計を整えるようにしましょう。
睡眠薬などを使用している場合は、医師への相談が必要です。薬の効き目が朝まで残ってしまうこともありますし、睡眠に関する薬は様々な種類があるため、薬の影響による睡眠障害が疑われる場合は要注意です。
高齢者は若い人よりも食事に疲労が伴います。食事に必要な動作が困難であったり、食事に必要な身体機能に問題がある場合は、我々が想像している以上に疲弊します。通常、食事に集中できるのは20~30分ほどと言われています。可能な限り、この時間内で食事を終えられるように工夫しましょう。
認知症患者は、同年代の認知症ではない人と比べて睡眠問題が起こりやすい傾向にあります。連続して眠ることができなかったり、睡眠と覚醒のリズムがバラバラになります。認知症による睡眠障害に対する薬はまだ開発されていないので、日常生活の中で睡眠環境を整えなければなりません。例えば、室温を適正にし、明るさを調整するなど寝室の環境を整えるだけではなく、夕食後の水分摂取を控えたり、カフェインの摂取を控えるなどの調整も必要です。また、排尿のタイミングをコントロールするなどの工夫も求められます。
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