食べたことを忘れてしまう
認知症による食事異常行動には、食事拒否以外にもいくつかの種類があります。それがここで紹介する過食です。過食と聞くと、ストレスが原因で食事をとりすぎてしまう状態をイメージするかと思いますが、認知症患者の過食はそれとは少し異なります。例えば、食事を終えたばかりなのに食事を要求したり、食事済であることを伝えても「まだ食べていないでしょう」と信じません。そして、冷蔵庫から勝手に食べ物を取り出して食事をするのです。
認知症患者の過食は、認知症による記憶障害が主な原因です。短期記憶の能力が低下しているので、直前に食事をしたことを忘れているのです。過食をすることで必要以上のカロリーを摂取することになります。また、薬を飲みすぎる可能性があるので、重大な健康被害につながります。
まず、食事の具体的な回数や時間をあらかじめ伝えておきましょう。そうしておけば、食事をした後に「食事はまだか」と聞かれても、「今は夜の9:30ですよ、晩御飯の○○は美味しかったですね」と答えることで納得してくれる可能性が高いです。頭ごなしに「さっき食べたじゃありませんか」と注意すると、被害者意識が増幅して余計に言うことを聞いてくれなくなります。
また、食事を終えた後即座に食器を片付けないでおくのも有効な手段です。すぐに食器を片付けることで混乱し、過食がエスカレートする可能性があります。ゆっくり食事を楽しんでもらい、食べ終わった後はしばらく食器を本人の前に置いておきます。そうすることで、「自分は食事をした」という意識を根付かせることができます。
余裕があるなら、次の食事の時間まで一緒に過ごすのも有効な方法です。例えば、食事を要求した場合に、「これから準備しますね」「一緒に手伝ってもらえませんか」などと声をかけましょう。本人を否定する言動は、認知症の症状を悪化させる恐れがあります。ストレスによって過食気味になってしまう認知症患者もいるので、普段の生活の中で可能な限りストレスを取り除くことが必要です。それでも過食をしてしまう場合は、食事の回数を増やし、1回分の食事のカロリーを減らすなどの工夫が求められます。
薬の過食は命にかかわるので食事以上に注意が必要です。ずっと近くにいるのが難しいのであれば、曜日や時間ごとに分けられる薬ケースを使い、本人の目に入りやすい場所にカレンダーを設置しましょう。そして、薬を飲む際には必ずカレンダーと照らし合わせながら必要な分を服用してもらうように徹底してください。
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