本人の状態に寄り添いながら
食事拒否を予防するために普段から取り組めるポイントとしてまず挙げられるのが、体調管理です。普段からこまめに体調をチェックして、楽しんで食事をとってもらえるようにしましょう。虫歯や入れ歯など口内の状態も大切ですが、排便の状態についても把握しておく必要があります。
本人の食事習慣を尊重することも大切です。食事習慣が変わったことが原因で食事拒否につながるかもしれません。例えば、これまでは14時に昼食をとっていた人が、いきなり12時に昼食をとる習慣に変えることは難しいです。施設の場合は食事の時間が決まっていることがほとんどなので難しい部分もありますが、訪問介護などの場合であれば対応可能です。他にも、1日2食で過ごしていたのであれば、無理に1日3食にはせずに本人の食事習慣に合わせるなどの対応が求められます。
食事内容についても同様です。「朝は必ずお米」などの決まったルーティンを持っている人もいるでしょう。その場合は、本人の食事習慣に合わせた食べ物を用意してください。
飲み込みづらい食材なら、飲み込みやすいようにとろみをつけるなどの工夫をします。ただし、とろみが嫌いという人もいるので、事前に好みを把握しておくことが大切です。柄の多い食器だと、認知症患者はそれを食器だと認識できないかもしれません。その場合は柄のない食器に変更します。お箸が使えない状態であれば、スプーンやフォークを活用しましょう。自分の力でスムーズに食事ができるように、食材や食器の工夫が必要です。
エネルギーを消費しなければお腹が空きません。そのため、体を動かして食欲増進を図りましょう。自力での歩行が可能な方は、散歩を習慣化すると効果的です。歩行が難しい場合でも、軽い体操なら可能です。好きな音楽をかけながら体操をすると、気分転換や認知機能への刺激にもなります。
食事をする際の雰囲気にも気を配ってください。認知症の症状が進行し、食事の概念そのものが分からなくなっている高齢者の場合は、食事が美味しく楽しいものであると認識してもらう必要があります。匂いをかいでもらったり、少量だけ口元に持っていくことで、自然と食べ始めてくれるかもしれません。その際に注意すべきなのは、過剰に食事をすすめないようにすることです。なかなか食事に手を付けないからといってしつこく声がけをすることで、集中力が低下してしまう可能性があります。おおらかな気持ちで見守るように接してください。
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